皆さんこんにちは株式会社MIRAI-LABです。今日はロボットシステムとお金の話をしていきたいと思います。

工場や物流、サービス業において「ロボットシステムを導入したい」という声は年々高まっています。少子高齢化・人手不足という社会背景もあり、ロボット化の波は必然とも言えるでしょう。
しかし実際に「導入に踏み切れた企業」と「検討段階で止まってしまう企業」の間には大きなギャップがあります。その理由の一つが お金の問題、つまりコストや投資計画の難しさです。
ロボットシステムは、単にロボット本体を買えば終わりではありません。
以下のような費用が重なります。
ロボット本体の費用(数百万円〜数千万円)
周辺装置(ハンド、センサー、架台など)の費用
ソフトウェア・制御プログラムの開発費用
設置・調整・立ち上げ費用
保守・メンテナンス費用
さらに、ロボットはユーザー企業の「やりたいこと」「工程」に合わせてカスタマイズされます。ここに工夫や知恵が詰まっている一方、
標準化しにくいためコストダウンが難しい という側面があります。

ロボットシステムの導入は、数百万円〜数千万円単位の投資になります。多くの企業にとってこれはとても大きな決断です。
次のような問いに答えながら資金計画を立てる必要があります。
どれくらいの期間で投資を回収するのか?
全額一括投資か、段階的に導入を分散させるか?
規模を大きくして単価を下げられないか?
補助金・助成金は活用できないか?
しかし、これを計画し、根拠を持って社内や金融機関を説得するのは簡単ではありません。設備自動化の担当者の方はとても苦労されていることと思われます。
この 投資計画のコーディネート能力 が、発注の難しさ、つまりは設備案件の具体化の難しさに関係してきます。
一方で、この問題を解決するには当然ですがSIerも 「技術提案だけでなく投資計画に寄り添う提案」 をする必要があります。
たとえば、以下のようなものがあります。
標準化されたパッケージ化システムの提案
複数年度に分けた段階導入プランの提示
補助金申請の相談をしながら内容を調整する。
ROI(投資対効果)試算をセットにした提案
ただしこれらは複数の事情が絡むこともあり、客先とのコミュニケーションを円滑に行いながら共に計画を立てていかなくてはいけません。
このように対話の中で調整できる関係性を構築していくことの難しさがSIerにとっての課題といえるでしょう。
以上にロボットお金の面からロボット導入の難しさについて考えてみました。このような課題についてはどのように対処していけばいいのでしょうか?
確かに初期費用は高いですが、長期的に見ると人件費削減や品質安定化による利益貢献は大きいケースが多いです。
重要なのは、「高い=悪い投資」と決めつけず、投資効果の試算を行うことです。
また、その投資を何のために行うのかという評価軸をはっきりさせておくことも重要です。投資に対する効果というものは生産性の向上やコストの削減だけでなく、安全な作業環境の構築など価値観によって評価する点が異なる場合があります。
これらの投資目的を明確にしたうえでその効果を正しく資産することが重要です。
中小企業向けの低コストロボットや、補助金を活用した事例も増えています。大手企業だけの話ではなくなっています。
例えば、中小企業庁の「ものづくり補助金」や各自治体の独自支援策も有効活用できます。
ロボットシステムの投資は確かにハードルが高いものです。ですが、資金計画を練り、SIerと二人三脚で進めることで、そのハードルを下げる道は必ずあります。
発注側が「投資の目線」を持ち、SIerが「お金の計画も含めたパートナー」になることで、ロボット導入はもっと身近になっていくでしょう。
本記事では、ロボットシステムの普及に立ちはだかる「お金の問題」に焦点を当てました。もし投資計画の立て方や導入の相談が必要であれば、お気軽にご相談ください。