産業用ロボットシステムは、周囲温度、湿度、電磁妨害、照明などの環境条件を考慮して設計しなければなりません。このため、システムで使用する産業用ロボットを含めた機器類、配線類などの各コンポーネントは、予測される運転条件と環境条件に耐えるものを選択する必要があります。
そもそも、ロボットはどんな環境でも機能する訳ではありません。例えば温度ですと、一般的には0度~45度の範囲で使用します。しかも、長期的にそのような環境で動く事は認められず、75%RH(湿度)以下での使用と言う事になっています。
① ファンまたは通気口がふさがっている
② 通気口やファンにほこりが溜まっている
③ 通気が十分でない
④ ファンの機械的損傷
などが考えられます。
特にファンにほこりが溜まっているケースが多いので定期的な掃除が必要となります。電源を落としてウエスでほこりを落とすだけで解決する時もあります。週に一度の冷却ファンの点検をお勧めします。
参考:【事故や故障を防ぐために】ロボットの定期点検/メンテナンスについて
アクチュエータへの電源供給、グリッパ開閉、センサやカメラのデータ転送など、どんな場所でも必要になるのがケーブル・コネクタです。
まず第一に、これらの要素部品の要件は省スペースかつ軽量であることでしょう。ケーブル類が重ければ、ロボットの可搬重量に影響を与えてしまうからです。
軽量化を実現するためには、適切なケーブルを注意して選択することが大切です。たとえばケーブルの銅断面積は最適でしょうか? 特にサーボモータ用では、必要な電力に見合った最適なケーブルを選びましょう。
またロボット内には複数のケーブルが詰め込まれています。アームの動きによって、繰り返しの曲げやねじれなどのテンションが可動ケーブルにも発生します。ロボットが激しく動いてもケーブルが断線しないようにするためには、狭い屈曲半径に耐えられるようなロボット専用の丈夫なケーブルが必要です。
粉塵や水については、一般的に『IP規格・防水保護構造及び保護等級』と言う企画で記載されて居る事が多いです。
IPコードが意味するもの
「IP」や「IPX」といった表示をスマホのスペック表などで見たことがある人も多いでしょう。これはIPコードと呼ばれ、「IP」に続く3文字目の数字が「防塵性能(固形物に対する保護等級)」を、4番目の数字が「防水性能(水の侵入に対する保護等級)」を意味する。
つまり、今回の「IP67」でいえば「防塵性能は6級で、防水性能は7級ですよ」ということを表している。ちなみに「IPX」は、3文字目の防塵性能の表示を省く(テストをしていない)ときに使うもので、例えば「IPX7」なら「防水性能が7級である」ことだけを示している。それぞれの等級は、以下の表のように定義されている。
防塵等級
防水等級
ロボットによっては保護等級0と言うロボットもあるので、最初に確認する必要があります。
因みに弊社で販売しているDOBOT(ドゥボット)を例に紹介します。IP54では埃や飛沫の侵入を防ぐ機能性を持つことがわかります。
また、昨今の「食の安全」に対する関心の高まりから、混入する可能性のあるモノにはより安全であることが求められております。
内部部品の潤滑に使われるグリースで『NSF H1規格』(食品との偶発的接触が許諾される潤滑剤)というものがあり、万一商品に混入して食べられたとしても極力健康に影響を与えない潤滑油なのです!
ロボットの選定は 何キロ持てるか?ばかりでなく、こう言った環境に考慮したモデルも有るため、導入先の環境ごとに選定を変えることも重要です。
参考:【用途別に紹介】産業用ロボットにできること