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【基礎知識解説】グリースと潤滑油の違い、特徴について紹介

2021.04.05

こんにちは。株式会社MIRAI-LABです。今回の記事では産業機械等に使われるグリースや潤滑油についてその種類や特徴を解説していきます。

JISによるグリースの定義

「原料基油に増ちょう剤を分散させて半固体または固体化したもの。特殊な性質を与える他の成分が含まれる場合もある。」と定義されています。

グリースは潤滑油の粘度を調整して半個体状にした潤滑剤のことをいいます。グリースの成分は、基本的には、基油(原料油)と増ちょう剤、添加剤の3つからなります。

潤滑油とグリースはどちらも機械類の潤滑に使用するものですが、使用方法も使用箇所も違う別のものになります。
そして潤滑のために使用するエンジンオイルなどの潤滑油やグリースなどの物質全般をまとめて潤滑剤といいます。

潤滑剤の分類

潤滑剤を形態で分類すると、グリースは半固体状潤滑剤に分類されます。

〇液体潤滑剤:潤滑油
〇半固体潤滑剤グリース、コンパウンド
〇固体潤滑剤:二酸化モリブデン、グラファイトなど

グリースの基油

基油とは、オイルやグリースの基材となる油のことです。基油は、鉱油と合成油に大別されます。
合成油は、高温安定性や温度ー粘度特性等が優れており、鉱油では対応できない条件では合成油が使用されます。
基油はグリースの潤滑性、耐熱性、酸化安定性、低温性、対ゴム性、対樹脂性に大きく影響する主成分です。

増ちょう剤とは

簡単に言うと基油を半固体状にする役目で使われ微粒子として基油内に分散し様々なグリースの性能諸元を満たします。上位の写真は代表的な増ちょう剤の顕微鏡写真です。

【石けん系増ちょう剤:金属系】
「石けん」と言っても手を洗う石けんではありません。鉱油と脂肪酸、水酸化カルシウム (消石灰) と水を加え水分調整後に精製されます。牛脂系の脂肪酸を用いたグリースなので水分が含まれる為80度以上になると水分分離が始まり構造破壊により基油と石鹸基が分離してしまいます。逆にひまし油系脂肪酸を用いたグリースは水分を含まず100度まで耐えられます。

【リチウム石けん系増ちょう剤:金属系】
最も万能なグリースとして広範囲に使われている種別で、鉱油または合成油にステアリン酸リチウム (或いはひまし油の硬化脂肪酸のリチウム石けん) を増ちょう剤にして耐水性・せん断安定性に優れた諸元として使われています。

【複合石けん系増ちょう剤:複合金属系】
石けん系の耐熱性の欠点を補う目的から開発されたグリース種別で、脂肪酸と有機酸とを組み合わせて複合石けんとしており、これをコンプレックスと言います。アルミニウムコンプレックス、或いはリチウムコンプレックスなどがあり200度以上まで耐熱性 (滴点) が向上しています。

【非石けん系ウレア増ちょう剤:非金属系】
ウレア基 (-NH-CO-NH-) を2個以上有する有機化合物を増ちょう剤として使っているグリース種別 (ジウレアグリース) で、酸化を促す金属成分を含まないため耐熱性の強さも大きなメリットとして使われています。

【非石けん系有機/無機系増ちょう剤:非金属系】
石けん系よりも耐熱性を高めた有機系増ちょう剤のNaテレフタラメート、銅フタロシアニン、テフロン (PTFE)、或いは無機系のベントナイト、シリカゲルなどがあります。

添加剤とは

グリースに様々な効果を付与させる物です。
主に酸化防止剤、極圧剤、金属不活性剤、固体潤滑剤が使用されていますが、それ以外にも様々な種類があります。モリブデン (固体状/粉末状) やグラファイトなどが多く使われています。
これらの添加剤を組み合わせることでグリースに多種多様な性能を与えることが出来ます。

ちょう度とは

ちょう度は、グリースの硬さを表すもので、物理的な値を示す重要なものです。「 (少) ←増ちょう剤 (多)」のように増ちょう剤の量で調整します。JISやNLGI(米国潤滑グリース協会)で数値として粘性を表しています。

上記表に示すとおり混和ちょう度の値により区分され、各ちょう度グレードに分類されます。

一般的に市場で入手可能なちょう度は「1号〜2号」がほとんどで希に「0号」或いは「3号」を何とか見つけられますが、増ちょう剤や基油の問題、或いはそもそも対象とする材質などまで考慮するとほとんどは「2号」しか手に入らないのが現状です。

MIRAI-LABでは

低温化におけるトルク特性、耐熱性に優れた産業用ロボット用のグリス(ダフニーエポネックスRG-M)の販売をおこなっております。このグリースは産業用ロボットの可動部に使われている減速機専用に開発されているグリースですのでロボットの消耗を抑えて長寿命化に貢献します。

純正品に比べて低コスト、潤滑寿命が長いので、製造現場の生産向上とコスト削減につながります。大手ロボットメーカーで既に導入済み!安心してご使用いただけますので是非一度ご検討ください!

またロボット点検・メンテナンスの請負も行っております。

産業用ロボットは長期間稼働することにより各構成部品が経年劣化し当初の機能が維持できなくなったり、故障に繋がります。このようなトラブルを未然に防止し、安定稼働、設備延命のために定期的に消耗部品の交換や予防メンテナンスが必要です。

【下記の該当するロボットは要注意!】

☑導入以来、ロボットの点検・メンテナンスをしたことがない…
☑グリスやバッテリーの交換を1度も実施したことがない…
☑ロボット本体から、異音や振動、グリス漏れがしている…
☑働き方改革や忙しくて、自社メンテナンスができない企業様…

■点検可能ロボット
KAWASAKI / FANUC / YASKAWA (年間1000台規模のメンテナンスが可能です。)
■点検内容
グリス交換、鉄粉濃度測定、バッテリー交換
■点検実績
完成車メーカー様、一次サプライヤー様、アスカ含む各設備メーカー様など。

お問合せ

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