今回の記事では自動化設備で使用される産業用ロボットの更新について扱いたいと思います。
工場で日々稼働している産業用ロボットは繰り返し正確な作業を続けてくれることで私たちの社会に素晴らしい恩恵をもたらしてくれています。
この「休みなく一定の品質で作業を繰り返せる」というのは自動化の重要なメリットの一つですがロボットといえども全く消耗しないということはあり得ません。
そのため長期的にロボットを使用していくためには、定期的なメンテナンスを行うことでロボットの故障を未然に防止し、生産能力を維持していくことが重要となってきます。しかし、それでもいつかはロボットの老朽化が進み新しいロボットへ交換する必要が出てきます。
古くなってきたロボットは次第に故障の発生頻度が上がりメンテナンスだけでは能力を維持することが難しくなっていきます。
そこでいよいよロボットの更新という作業が必要になってくるのですが、これがなかなか容易な作業ではありません。ロボット更新は事前に様々な準備を行い、設備の稼働に影響しないような短い工事期間で行う必要があります。(具体例は後述します。)
また保有するロボット台数に比例して更新作業の負担も大きなものとなってきますので計画的に先を見通して更新の前段取りをする難しさもあります。
ではロボットの更新作業はどのような手順で行うのでしょうか?
大まかにですが必要な作業について解説をしていきましょう。
まず初めに、新しいロボットの選定を正しく行う必要があります。使用するロボットの選定基準については主に以前の記事で解説をした点が重要となってきます。
同じタイプのロボットを選んだとしてもボディ形状の微妙な違いによる、設備との干渉の有無、ロボット姿勢がとれるかの可否等を確認しておかないと、実際にロボットを置き換えてから生産ができないなんてことも発生しかねません。
3D設計ソフトを使用した事前のシミュレーションを行うことでなるべく既存設備の変更をすることなくロボットを更新できるようにしましょう。
新しく置き換えたロボットで現行のティーチングプログラムが流用できるかどうかオフラインティーチングをして事前検討することが可能です。
オフラインティーチングを行わないで現場でのティーチング作業で対応することもありますが、これを行っておくことで現場作業の短縮が可能になります。
ロボットメーカーの異なるものや同じメーカーであっても互換性のないものへの更新を行う場合は新しくティーチングプログラムを作成する必要があります。
新しく更新するロボットを準備します。先端ツールの取り付けや使用する信号の取り合い等を確認してロボットを設備で使える仕様にしておきます。
事前準備を済ませたロボットを実際に入替える工事をします。
古いロボットは撤去し、新しいロボットを設置します。
新しいロボットを実際の設備の中でティーチングします。
オフラインティーチングを事前に行っている場合はプログラムを流し込み、ロボットの姿勢の確認をながら調整を行っていきます。
ティーチングが終了したら自動運転の確認を行い、生産が正しく行えているか、品質に問題ないかを確認します。
以上を踏まえると、ロボットを更新する作業というのはただ新しいロボットを買えばすぐに行えるものではなく、様々な事前準備が必要ということがわかります。
MIRAI-LABではロボット更新作業全体のご対応からティーチング作業等の部分的な対応等、ロボット更新にまつわる様々なご相談を受け付けております。
ロボット更新を社外に依頼したいとお考えの企業様は是非MIRAI-LABへお問合せ下さい。
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