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ロボットに使われる減速機とは?解説します!

2023.08.17

こんにちは。株式会社MIRAI-LABです。
今回の記事では垂直多関節ロボットのアームに使われている減速機についてその役割と重要性についてお話ししていきます。

※垂直多関節ロボットについては産業用ロボットの分類の記事を参照ください。↓

【まとめ解説】産業用ロボットの分類、種類、構造について

 

 

そもそも減速機とは何のために使うのか?

減速機は文字通り回転速度を減速させる

そもそも減速機とは何をするためにあるものなのでしょうか?
まず減速機は何をやっているのかについて解説しますと減速機は入力された回転速度を出力側で低下させる役割を果たしています。複数のギアが組み合わさることで文字通り回転のスピードを落としているのです。

速度を調整し、高トルクを得られる

 

ではなぜ回転速度を落とすことが必要なのか。それは回転を減速させることで高いトルクを得られることにあります。減速機はよく回転運動の入力側にモーターを使用しますが、モーターの回転をギアの組み合わせによって減速することでより重いもの、負荷の高いものを回転できるようになるのです。

減速機があることで、用途に合わせて最適で安定した回転運動を得られるというわけです。

ロボットにおける重要性

ではこの減速機はロボットにおいてどのように役立っているのでしょうか?

高負荷に耐えられる

現在産業現場で主用となっている6軸の垂直多関節ロボットはすべての軸に回転運動を用いています。ロボットは駆動源にサーボモーターを使用していますが、「物体を掴んで高速で移動させる」、「複雑な姿勢で作業をする」等各関節のモーターに高い負荷を与える動きをすることがしばしばあります。サイズによっては100㎏以上のものを持ち上げて移動させることもあるため非常に高トルクの回転運動が必要となります。こうした高負荷の要求に耐えられる堅牢さをロボットに持たせているのが減速機なのです。

高精度の位置決めを可能にする

またロボットは高精度の位置決めを必要とする精密機械です。

ロボットの精密な作業は正確に指定した位置を保持したり、指定した速度で動き続けなければいけません。これはエンコーダと呼ばれる装置が回転速度や回転位置の情報を検出しその情報を元にロボットが常に正常な動作ができているか調整することで可能になっています。この精密な位置決めにも減速機は重要な役割を担っており、モーターの回転速度を減速機が最適な値に調整しているため先端の細かな制御ができています。

 

 

逆に減速機が無く適正な回転速度の調整ができていないと正確な位置決めができないだけでなく、場合によってはロボットの異常動作が発生することがあります。

具体的には軸から大きく張り出しているようなものを取り付けて動かした場合や、高速で重いものを移動させた場合に減速機が無いと軸の位置ずれを起こすというのがあります。

エンコーダ情報から軸位置が指定の位置からずれていることを検出したロボットは位置を調整しようとサーボモーターを回転させますが回転速度が速すぎる場合指定の位置に戻すことができず再度調整しようと動きます。この動きが繰り返されることで振動が増幅されて制御不能になってしまうこともあります。そんな時にロボットが自身を素早く正しい位置に調整できるのは減速機によって正しい速度調整ができているからなのです。

減速機は消耗する…だからこそ点検は重要

このように減速機はロボットの高精度で高負荷な動作を支えていますが、常にモーターからの力を伝達しているため比較的消耗しいやすい部品です。減速機は複数の歯車が組み合わさった構造をしていますが、使用時間が長くなるにつれて歯車同士がこすれあうことで少しずつ削れていきます。この摩耗を軽減し、減速機を長寿命化するために減速機の中にはグリースが入っていますが、それでも歯車の摩耗を完全に無くすことはできません。減速機内部の歯車が摩耗すると少しずつグリースに鉄粉が混じり始めます。またグリース自体も劣化するものなので定期的に減速機内部のグリースを交換する必要があるのです。

MIRAI-LABが実施している簡易点検ではこのグリース交換を行うことで減速機の消耗を抑え、悪くなっている箇所が無いか診断いたします。「いきなり減速が破損してロボットが動かせなくなる」なんてことが起きてしまうと最悪の場合工、場の生産ができなくなることが考えられます。そうならないためにも定期的にメンテナンスを行ってロボットの状況を確認することはとても重要なのです。

お問合せ下さい。

ロボットの点検についてご検討の方は是非お気軽にMIRAI-LABへお問合せを下さい。


     

     

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