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【CADによる設計】CADにはどんなものがあるのか?3D、2Dの特徴

2021.01.26

今回の記事では機械設計で使われるCADという手法についてCADとは何か?、どんなものがあるのか?を解説していきたいと思います。

CADとは

「Computer Aided Design」の略で、コンピュータを用いて設計すること、または支援ツールにより、製図を行うシステムのことを言います。システムインテグレーションには機械製図用CADと電気、制御製図用CADが使われます。

従って一般的にCADソフト=パソコン上の設計用ソフトという認識でよいかと思われます。

使用されるCADでは、2D(2次元)・3D(3次元) CADがあります。X,Yで描くものを2D(2次元)といい、基本的な製図のレイアウトとして正面図、側面図、平面図を描き、X,Y,Z で描くものを3D(3次元)といいます。3つの座標軸にそれぞれ回転角度があり、6軸または6自由度といいます。これは物体の運動や部品の配置などでは必要になります。
主に2次元CADはものを製作するための製図をする際に用いられ、3次元はデータモデルとして、もののイメージや、形状を正確に表す際に用いられます。

CADの種類

ではCADソフトにはどのようなものがあるのでしょうか?

CADソフトにはその用途によって様々なものが販売されていますがFA、ロボットシステム設計用としての機械CADソフトウェアは以下のようなものが参考として挙げられます。

■2D CAD

・AUTO CAD

■3D CAD

曲面やウネリ形状に強いハイエンド
・CATIA (Dassault Systems)
・Creo (PTC)
・NX (Siemens PLM)
・I-DEAS (Siemens PLM)

ミッドレンジ
・Solid Works
・Inventer (Auto Desk)
・I-CAD/SX (富士通)
・Iron Cad (クリエイティブマシン)など

CADの選定はどうするか?

■2D CAD

【メリット】
価格的に安価。手書き製図していた設計者の代替ツールとして手軽に利用。

【デメリット】
奥行き、厚さ方向を設計者が理解しておく必要がある。

■3D CAD

【メリット】
設計検討スピードの向上。重心や、重量が正確にわかる。斜め方向の空間的な計測が可能。

【デメリット】
2D CADと比較すると高価。3D表現に高いグラフィック性能を必要とするため、使用するパソコンのスペックも高くなりコストがかかる。

3D CADは見やすく理解しやすい

3D CADの特徴は物を立体的に表現してくれる点にあります。図面はモノづくりの指示を2次元的に表現したものですので設計をする上で3次元的な表現との返還を脳内だけで行うのは大変です。この課題において3D CADは目で見て感覚的に理解をしやすいという利点があります。

以下に3Dで扱われるデータがどのような方式で表現されるのかというデータ構成について例を挙げます。

・ソリッドデータ

ソリッドモデル

頂点・線分・面で構成された体積を持つ立体モデル。フィーチャーを積み重ねて、足したり、除去したりして立体を作成するので、粘土細工をイメージしてもらうとわかりやすと思います。

中身の情報があるので、体積や質量の計算、部品同士の干渉の検証なども可能です。そのぶんデータ量が多くなり、パソコンでの処理に時間がかかるというデメリットがあります。

・サーフェースデータ

サーフェスモデル
板厚を表現しない自由曲面の表現設計に使用します。風船のように生身のない立体をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

中身の情報がないので、体積や質量の計算、部品同士の干渉の検証などはできません。そのため筐体設計の過程で使用することが多く、最終的にソリッドモデルに変換することが一般的です。サーフェスモデルは、自由曲面の多いキャラクターやインテリアなど、デザイン系が得意な表現方法です。
・ワイヤーデータ

ワイヤーフレームモデル
データは軽いですが、角や、端面の線表現のみとなります。また、線のみなので向こう側の隠れた線も見えるため、見えづらくなります。

3D CADにはデータが大きく、動作が重くなりがちな自由曲面に強いCAD、データが小さく動作が軽いCADがあるため、目的と描きたいものにより、選定する必要があります。

 

設備設計のCADに使われるデータ形式

CADデータをやり取りする場合、データファイルフォーマットが存在します。

2DではDXF(多くのCADソフトとやり取りが可能)やDWG(AutoCadのフォーマット)などです。

その他、3D CADではソフト毎にフォーマットが存在しますが、やり取りする場合IGES、STEP、STLなど中間フォーマットがあり、それらを介してデータのやり取りをすることができます。

データ形式の扱いには注意が必要

CAD設計をする際に同一のCADソフトかつ同じバージョンで行われていれば問題ないですが、違うソフトやバージョンの場合は図面確認をする際に以下の様な問題が出てくるので注意が必要です。

● 機能が使えない(履歴属性や部品情報が無い)。
● 各部品モデル要素が一体で部品単位にならない。
● 形状変更ができない。
● モデルデータが欠落している。

従って、複数の企業間でCADデータをやり取りする場合は、データをどのような型式フォーマットで行うか事前に確認しておかないと、受け取ったデータでは変更ができない、見ることさえもできない可能性があるので注意が必要です。
CADにおいても製図の理解が重要

いままで説明してきたように3D CADはいわゆる製図ツールです。設計者が、設計した部品をどの様に加工し組立て製作したいか正確に表現し、相手に間違いなく伝えるためのツールです。従って、製図手法を用い図面を作成するという点は従来の方法と基本的な考え方は同じです。製図は、JISで規格化されており、規格に準じて図面を作成する必要があります。CADソフトは簡単に図面の作成と編集ができますが、ツールを正しく扱うためにも製図の規格を正しく理解しておくことが設計者には必要です。

 

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