若手社員の育成や、責任者を育てたいという企業は多いかと思います。『人材開発支援助成金』を活用すれば研修費用や、賃金の助成を受けることが出来ます。
今回は人材開発支援金の内容や対象者、基本要件に加え、対象コースから受給までの手続きをご紹介します。
人材開発支援助成金とは、従業員の職業能力開発の効果的促進のために支給される助成金制度です。
訓練内容によって、助成対象とならない場合もあり、従業員にどのような能力開発や人材育成が必要かを明確にした上で、申請しなければいけません。
人材開発支援助成金は7つの支援コースに分かれており、コースごとに助成内容や対象が異なります。
今回は、特定訓練コース・一般訓練コースについてのポイントをまとめたいと思います。
若年人材育成訓練等に利用できる【特定訓練コース】
OJT(実地研修)とOFF-JT(机上研修)が組み合わさった研修コースです。
OJTとOFF-JT、OFF-JTにかかった経費のそれぞれに助成金が出ます。
OJTによる実施が要件となっている訓練を行う際に提出するカリキュラムの項目が明確化されました。(訓練参考様式第1号)実施時期、職務名、職務の内容、時間、実施場所、訓練担当者などエクセルシートに記入します。
OFF-JT / OJT ってなに? OFF-JT:企業の事業活動(通常の業務・生産ライン)と区別して実施する座学・実技訓練 OJT:適格な指導者※による指導のもとで、企業内の事業活動の中で実施する実習訓練をいいます。
・中小企業以外
・中小企業
・事業主団体等
●OFF-JTにより実施される訓練であること
●実訓練時間が10時間以上であること
①労働生産性の向上に直結する訓練…労働生産性の向上につながる訓練【Off-JT】
②若年労働者への訓練…雇用契約締結後5年を経過していない労働者、かつ35歳未満の若年労働者に対する訓練【Off-JT】
③技能承継等の訓練…熟練技能者の指導力強化や技能承継を目的とした訓練【Off-JT】
④グローバル人材育成の訓練…海外関連の業務に従事する労働者を対象にした訓練【Off-JT】
⑤特定分野認定実習併用職業訓練…建設、情報通信業を対象にした厚生労働大臣の認定を受けた訓練【Off-JT/OJT】
⑥認定実習併用職業訓練…業種を限定しない、厚生労働大臣の認定を受けた訓練【Off-JT/OJT】
⑦中高年齢者雇用型訓練…中高年齢新規雇用者等を対象とした訓練【Off-JT/OJT】
※()内は中小企業以外の助成金額となります。
訓練開始日が属する会計年度の前年度の生産性とその三年後の会計年度の生産性を比べて6%伸びていること
訓練開始日が属する会計年度の前年度から3年度後の会計年度の末日の翌日から換算して5カ月以内に割り増し助成分のみ別途申請
社員研修や企業研修に利用できる【一般訓練コース】
・中小企業
・事業主団体等
・大企業(※追加)
訓練開始日が属する会計年度の前年度の生産性とその三年後の会計年度の生産性を比べて6%伸びていること
訓練開始日が属する会計年度の前年度から3年度後の会計年度の末日の翌日から換算して5カ月以内に割り増し助成分のみ別途申請
人材開発支援助成金に申し込むときの基本的な流れは、以下の3ステップになります。
ただし、コースによって詳細は異なりますので、ここではあくまで全体の流れとして「一般訓練コース」を例に取り上げます。
ステップ1:訓練実施計画届の作成・提出
事業者側で訓練実施計画を作成します。作成が終わったら、「訓練実施計画届」と申請するコースに必要な書類をセットにして管轄の労働局に提出します。なお、提出は職業訓練等開始日の前日から数えて1ヶ月前までに済ませる必要があります。
ステップ2:訓練の実施
提出した訓練実施計画に沿って職業訓練等を実施します。
ステップ3:支給申請
訓練期間が終わったら、必要な書類を添付して管轄の労働局に支給申請を行います。
訓練終了の翌日から数えて2ヶ月以内に支給申請をしないと助成金を受給できませんので注意してください。
ここで、人材開発支援助成金を受け取るメリットに目を向けてみましょう。
人材開発支援助成金を受け取るメリット
・人材育成に関係する費用負担が少なくなる
人材開発支援助成金を利用する一番のメリットは、人材育成における企業の費用負担を減らせる点でしょう。
特に中小企業に対して手厚い助成額が設定されているので、これまで費用の問題から社員のキャリアアップに力を入れにくかった企業にとってはうれしい制度です。企業側が背中を押すことで、社員自身のキャリアアップへの意欲を高める効果も期待できます。
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